日々徒然
2019年09月12日
弁護士 入江秀子が日々の雑感や感じたことなどを綴って参ります。
数年前、地方裁判所で敗訴判決を受けた。
結審前の裁判官の口ぶりに、ふと嫌な予感はしたが、
主張と証拠関係から、勝つだろうと思っていた。
ところが、判決が出てみれば敗訴。
自分の認定の勘が狂ったのか、と思いショックだった。
しかし、控訴理由書を書けば書くほど、
どう考えても地裁の判決が間違っているとの思いが強くなる一方だった。
控訴審の高等裁判所では、
新たな証拠調べをすることなく一回結審。
和解勧告があったが、
相手が強気にも和解を蹴った。
そして、判決。
全面的な逆転勝ちである!
昔、裁判官だった頃のこと。
刑事裁判で犯罪行為の重大性、被害者の心情、被告人の事情や改善更生に鑑み、
渾身の思いで刑を決めたところ被告人に控訴された。
その判決が高等裁判所で維持された時、
その判決には、「原審が○○○と判断したのは、真にもっともで・・・・」
と記されていて勇気づけられた記憶がよみがえった。
理性の府である裁判所は頼むに足る存在だと、
心強く感じた出来事だった。
もちろん、ご依頼者と手を取り合って喜んだことは、言うまでもありません。