日々徒然

2020年01月17日

弁護士 入江秀子が日々の雑感や感じたことなどを綴って参ります。

 

丸の内線の四谷三丁目駅から当事務所のまでの間にあるビルの一角に
「小兵衛鮨」というお寿司屋さんがあります。
ご主人に店名の由来をお聞きしたところ、
「多分、お客さんが考えている答えで合っていますよ」とニヤリ。
池波正太郎の「剣客商売」の主人公の名前だとのことでした。


この小説は、老剣豪「秋山小兵衛」を巡る物語ですが、
池波小説らしく、料理の描写にも味があります。
私も、以前、全シリーズを通読したことがあります。


久々に書棚の奥から探し出し、読み返してみました。
なるほど、小兵衛は、若いころ、四谷仲町に道場を構えていたのですね。
四谷仲町は、今では、四谷二丁目・三丁目に該当する場所とのことですから、
この辺りは縁があったということのようです。

 


また、小説で描かれている料理に、「鴨飯」なるものを見つけました。
最近、スタッフとアジア料理を食べることが多く、カオマンガイ(南海鶏飯)は皆の好物なのですが、
小説の「鴨飯」は、鴨の脂と皮をで出汁を取った湯で米を炊き、
そのご飯の上に鴨肉を載せ、刻んだ芹をトッピングして食すのです。
載せる鴨肉の調理は、小説の記述が曖昧で、池波ファンの間で諸説あるようですが、
鴨を鶏に、芹をパクチーに置き換えれば、正にカオマンガイ!
池波氏の味覚の幅広さに感服しました。

 


この他にも、読者の想像をかき立てる料理の描写が豊富なこの物語。
小兵衛鮨のご主人から、登場する料理についての蘊蓄(うんちく)を是非ともお聞きしたいものです。

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